田中 蓮BlendZoneを開いたのは2017年の春、烏丸御池の小さな路地裏でした。それまでは大阪・北堀江のスペシャルティコーヒーショップ「TRUNK COFFEE OSAKA」でバリスタとして5年間働き、焙煎の基礎をゼロから学びました。当時の店長に「豆の個性を消すブレンドは意味がない、引き出すブレンドを作れ」と言われたことが、今もBlendZoneの考え方の根っこにあります。開業資金は貯金と家族からの借り入れで、最初の半年は赤字でした。
転機は2019年の秋です。エチオピア・イルガチェフェの農家、Tadesse Bekele氏と直接連絡が取れるようになり、初めて産地直送で生豆を仕入れました。それまでは商社経由だったので、豆の鮮度も情報も限られていました。直接取引になってから、豆の状態が安定して、ブレンドの再現性が格段に上がりました。同じ年に店内焙煎機Giesen W6Aを導入し、週3回の焙煎サイクルが始まりました。この変化をお客さんが一番先に気づいてくれたのが、正直うれしかったです。
今は田中 蓮てスタッフ3名で運営しています。席数は16席と小さいですが、その分、一杯一杯に集中できます。常連さんの中には週5で来てくれる方もいて、「今週の豆は何?」と聞いてくれるのが毎回の楽しみです。2026年からは月に一度、焙煎見学と試飲ができる「焙煎の朝」というイベントも始めました。コーヒーを飲むだけでなく、作る過程を知ってほしいという気持ちからです。