「ブレンドって、豆を混ぜるだけじゃないんですか?」とよく聞かれます。混ぜるだけなら誰でもできます。問題は、何を混ぜるか、どの焙煎度で混ぜるか、どの比率で混ぜるかです。BlendZoneでは年4回、季節ごとにブレンドレシピを見直しています。その設計プロセスを、できるだけ具体的に書いてみます。

まず「飲み方」から考える

夏のブレンドを設計するとき、最初に考えるのは「このブレンドをどうやって飲む人が多いか」です。夏はアイスコーヒーで飲む方が圧倒的に多い。アイスにすると、コーヒーの酸味は残りやすく、苦みは少し抑えられます。だから夏のブレンドは、浅煎りでフルーティーな酸味のある豆を主体にします。冬は逆で、ホットで飲む方が多いので、深煎りのコクのある豆を増やします。

産地の選び方

BlendZoneが使う豆はエチオピア・コロンビア・グアテマラの3産地です。エチオピア イルガチェフェはフルーティーで花のような香り、コロンビア ウイラはキャラメルと柑橘の甘み、グアテマラ アンティグアはチョコレートとナッツのコク。この3つを組み合わせることで、酸味・甘み・コクのバランスを調整できます。季節によって主役を変えるイメージです。

焙煎度と配合比率の調整

夏の2026年ブレンドはエチオピア60%、コロンビア40%、浅煎りです。この比率に決めるまでに、エチオピア50%/コロンビア50%、エチオピア70%/コロンビア30%の2パターンも試しました。50/50だとコロンビアの甘みが強くなりすぎてアイスには重い。70/30だとエチオピアの酸味が突出しすぎる。60/40が一番バランスが取れていました。

試飲と微調整

配合が決まったら、3日間連続で同じレシピで焙煎して試飲します。焙煎は毎回微妙に違うので、1回だけでは判断できません。抽出条件(湯温・挽き目・抽出時間)を固定して、豆の配合だけを変数にします。スタッフ全員で飲んで、意見を出し合います。最終的な決定は田中 蓮すが、スタッフの「これ、アイスにしたらどうなる?」という一言で配合が変わったこともあります。

ブレンドは「完成」しない

毎年同じ季節のブレンドを作っていても、豆のクロップが変わると味が変わります。農家の収穫状況、その年の気候、乾燥工程の違いが豆に出ます。だから毎年「去年と同じレシピ」では同じ味にならない。それが面倒でもあり、面白くもあります。ブレンドは完成品ではなく、毎年更新していくものだと思っています。

ブレンドの設計に興味がある方は、月1回の「焙煎の朝」イベントで実際の焙煎と試飲を体験できます。詳しくはニュースページをご覧ください。